ウルトラナイト
友人たちと2、3ヶ月に一回くらいの頻度で「ウルトラナイト」という催し物を行っている。
なんてことない、ただ単に夜通しウルトラマンシリーズを鑑賞するだけ、というイベントなのだが、これがなかなかおもしろい。中でも、やはりシリーズ最高傑作と名高いウルトラセブンは3、4本見た中にはハズレがなく興奮と感動の歓声がわきおこる。
最終回、有名な「明けの明星」というセリフとその前後のシーンに悶絶し、「狙われた街」ではちりばめられたエピソードの一つ一つに興奮する。
ウルトラマンは基本的に勧善懲悪の物語である。そこで問題になるのは正義の所在だ。初代ウルトラマンの「ウー」のエピソードでは、自分達は果たして正義なのかということを問うイデ隊員に対してアラシ隊員が「怪獣が悪であるに決まっている」というようなことを言う。このような全体化された差別意識はSFであるからこそ当時のものの考え方を表しているように思う。まだ、戦争直後であるという時代背景も考慮するべきだろう。
一方で、続編にあたるウルトラセブンでは、「僕は宇宙人なんだ」と告白するダンに対してアンヌが「宇宙人でもなんでも、ダンはダンよ」と応える。ウルトラセブンは宇宙人がそのままの状態で地球人の中に入り込むという設定上、正義と悪の線引きにより敏感になっているものだと思える。その、単純な勧善懲悪への全体化を許さないドラマ性がシリーズ最高傑作と呼ばれるゆえんだろう。特に、「ダークゾーン」はダンの迫真の演技も手伝って、その悲しさがよく表現された作品になっている。
よく「ウルトラセブンは大人向け」という評を目にするが、単純な価値判断や安易な差別化を許さないこのような作品こそ、子どもが見るべきものなのではないかと思う。
とりあえず、アンヌ隊員ってめちゃめちゃ魅力的な女性だなと思った。
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