UCHEW-NISSHI

Tokyo Based DJ KNK's Blog - 音楽関連、東京近辺のパーティ情報、各地の旅先での音楽に関連した散策、読んだ本や見た映画について

Groundhog Day

もしも同じ1日が繰り返されるとしたら、そこであなたは何をする?

ビル・マーレーゴーストバスターズ)扮する自信過剰でエゴセントリックでいけ好かない気象予報士は、Groundhog Dayのレポートをするため、ある田舎町を訪れる。仕事を終え、帰ろうとすると、吹雪のため道が閉鎖されている。嫌々ペンションに帰り、眠りについた気象予報士。翌朝起きると、ラジオからは昨日と同じ内容が流れている。それは、すでに経過したはずの2月2日、Groundhog Dayだった。何度目覚めても、そこは同じ日、同じ部屋。繰り返される時間の中で、彼がとった行動とは・・・?

この映画を初めて見たのは飛行機の中だった。93年の映画らしいから、多分7歳か8歳だっただろうと思う。子ども心に地味な売れてなさそうな映画だなと思って見ていた記憶がある。すぐに記憶の彼方に飛んでしまいそうな映画だが、これがひどく心に残った。ストーリーの展開等もさることながら、主題である『何度も繰り返される1日』ということを、僕はふとした折に思い返しているように思う。
本当に退屈な映画だし、何か哲学的な啓示があるわけでもない。お涙頂戴な感動シーンもないし、笑い転げるギャグもない。謎に答えはないし、伏線とかもない。ストーリーも「同じ一日が繰り返される」という以上のものはないし、もちろんCGもアクションもない。この映画にあるとすれば、1日を大切に生きることの大切さ、というようなありきたりなメッセージだけだ(だが、ありきたりだからこそ素直に入ってくるということでもある)。だけど、この映画は本当に心に残る映画だ。今改めてみて、確信した。そこに描かれているのはひたすらに日常の尊さであり、愛おしさである。言うまでもなく、『毎日が同じ日の繰り返し』というのは我々の生活の比喩である。そこで何を為すか、何を思い生きるか。海のように平たんな、だけどとてつもなく広大な感動を得られる映画だと思う。

正に、隠れた名画。

[asin:B002MTS4BO:detail]