UCHEW-NISSHI

Tokyo Based DJ KNK's Blog - 音楽関連、東京近辺のパーティ情報、各地の旅先での音楽に関連した散策、読んだ本や見た映画について

ニンジャ・アサシン

全国で新宿ミラノでしか公開されていない、全く噂にもなっていない映画、ニンジャアサシンを見てきた。映画秘宝読まなかったら完全にスルーしていたであろうこの映画、見てみたら最高のエンターテイメント映画だった!今年入ってから映画館で見た中では、現状一番おもしろい作品といえる。
ストーリーは題名(ちなみにこの邦題は原題"Ninja Assassin"そのまま。頭が悪すぎる!)から大体想像がつく感じで、世界を股にかける暗殺者集団(忍者)が戦いまくる、という話。ホラー専門レーベルだったダークキャッスルは昨年くらいからアクション色の強い作品をいくつか出しているけれど、それが結実した感じの、残酷アクション。さらに、激烈CG映画を数多く製作しているレジェンダリーフィルム(次回作はタイタンの戦い)が加わり、映像的にもマトリックス1作目のようなスタイリッシュさが出ている。
そして何より、主演のピ(Rain)が予想外のかっこよさ!入り口で甘い表情のポストカードをもらったときには見に行ったことを心底後悔したけれど、始まってしまえばそんなこと思い出す暇もないくらいに傷だらけになり、血みどろになり、そして吼えまくる。本当に、かっこよかった。韓国人アイドルの懐が、もしみんな彼のように深いものであるならば、韓流が一時代を築いたこともなんら不思議ではないと思う。今月号の日経エンタ誌上にて、マーティ・フリードマンがジャニーズアイドルのマルチな才能を讃えていたけれど、彼等の演技とは明らかに格が違う。アクションのみならず、序盤の、彼の出自や存在がまだ謎めいた状態である時の無機質な表情から、後半の獣のような戦いぶりに至るまでの変遷は実にダイナミックでスペクタクルでかっこよかった。
事実がひとつずつ明らかになりクライマックスへと進んでいくストーリー展開も冗長になりすぎることなく、一方で人物に深みを与えていたし、わかりやすいオチもこういう映画ではむしろ効果的な気がする。そして何より、ニューヨークのSUSHIばりに換骨奪胎されたNINJAの描き方がもはやアメコミに近くて、かっこよかった。その奇想天外な感じと、ダイナミックでスピーディーなアクション。カムイ外伝に足りなかったものが全部詰まった映画。

・劇場にはピのファンのおばちゃんが一杯。その人たちが満足したかは微妙だけど、こういうエグい映画にそういう客を呼べる存在であることに改めて感心。パーティーでも映画でも、一番シーンを動かしていくのはそういう上と下の架け橋になるような人なのかもしれないと思った。