Books
最近ふとしたことから江藤新平のことが気になって、司馬遼太郎の『歳月』を読んだ。読み終えて解説を読んでいると今度は大村益次郎のことを知りたくなって今『花神』を読んでいる。司馬遼太郎は手塚治虫と同じく、その偉業の一つに圧倒的な作品数の多さがあ…
CCC社長増田宗昭氏。彼の「企画」や「編集」に対する考え方には昔から共感を覚えてきた。彼自身の本を読んだのは初めてだったが、基本的にはそれを再確認するための読書であり、さくさく読み進めることができた。 書かれている内容に沿って考えを巡らす中で…
実は自分は三島由紀夫というものをほとんど読んだことがなくて(それは彼の最期にまつわるエピソードが多分に影響している)、この本が初めての三島作品だった。 読み終わって、彼は1960年代に取り残された人なんだな、という印象を強くもった。1960年代は1人…
学生時代にバイトしていた青弓社から出ているエッセイ集『ブラックミュジックさえあれば』を読んだ。 徹底して「ウォナビー(Wanna Bees)」の視点から語られる筆者のブラックミュージック観は、しかしそれ自体が彼の人生であり、既にひとつの文化を形成して…
椹木 野衣『シミュレーショニズム (ちくま学芸文庫)』ちくま学芸文庫 これは情報化社会以前の芸術批評である。 例えば、ハウスミュージックについてその数多性、無名性、そしてそれゆえの閉鎖性、雑多性を特徴として述べている部分があるが、マイスペースや…
2010年年始、何度目、と数えることすらできないが、司馬遼太郎の作品が書店の店頭を賑わせている。96年の死後、彼の地位はますます確固たるものとなり、彼が生きていた時にはその名前すら知らなかった僕のような人間にも多大な影響を与えている偉大な作家と…
http://homepage3.nifty.com/tamakis/%8D%D6%93%A1%8A%C2/kUROSAWA.html斉藤環、という学者。彼の分析は、サブカルチャーや社会といった彼の身の回りのものの中から、好きなものについて何故彼はそれが好きなのか、ということを徹底的に分析している。 精神…
もともと、「アンラッキーヤングメン」([asin:4048537245])に引用されているのを見て気になった、というのがきっかけとなったわけだが、いざ読んでみるとあまりに素朴な言葉で語られる悲哀がどストライク。
SFはどれだけ現実的な物語よりも現実的である。 それゆえ、その内容は即時的なものとなるが、一方その性質ゆえに普遍的なものとなる。福井晴敏の「機動戦士ガンダムUC」はまさに2000年代のガンダムといえる作品となっている。 このシリーズ、バイト先の上司…
通常児童文芸の巨匠として語られるエンデ。 彼の名前ではいまいちピンとこないという人も、『はてしない物語』(ネバーエンディングストーリー)や『モモ』と聞けば一度は目にしたことがあるはずだ。 通常児童文学の作家の作品は、いわゆる純文学の作家のそ…