UCHEW-NISSHI

Tokyo Based DJ KNK's Blog - 音楽関連、東京近辺のパーティ情報、各地の旅先での音楽に関連した散策、読んだ本や見た映画について

少しアートに触れてみる(やっぱり本の中で)


椹木 野衣『シミュレーショニズム (ちくま学芸文庫)ちくま学芸文庫


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これは情報化社会以前の芸術批評である。
例えば、ハウスミュージックについてその数多性、無名性、そしてそれゆえの閉鎖性、雑多性を特徴として述べている部分があるが、マイスペースや数々のダウンロードサイトによって楽曲が全世界に広がり、Twitter等によってセットリストがリアルタイムに配信される世界においてはこの記述はあてはまらない。現代はメジャーなアンダーグラウンドが可能な時代なのだ。このことについては、筆者もあとがきで触れている。
そして、正にこれが前・現代の批評であるが故に、この本はとてつもなく魅力的なのだ。
筆者自身が記しているように、この本の内容は現代には書かれえない。我々はもはや不可逆的に情報社会に慣れ親しんでおり、90年代のことを想像することすら困難な環境にある。90年代は正に蓄音機以前の音楽のようなものだ。誰もがそれに再現以外で触れることができない。その90年代(そしてその少し前の時代)のことを筆者は驚くべき鋭度でカットアップし、つなげている。そしてそれに触れることで初めて、我々は現代の現代たる所以を知ることができるのだ。
僕がこれを当時読んでいたとしても、おしゃれな雑誌に載ってそうな文句が並んでいる言葉という程度にしか思えなかっただろう。しかし、今だからこそこの本の背後に潜む壮大な世界を感じることができるのだと思う。


シミュレーショニズム (ちくま学芸文庫)

シミュレーショニズム (ちくま学芸文庫)


・今更だけど、1991年ってもう20年前なんだなぁ。


・ロシア、という国について何も知らない自分に気づく。ゴルゴ13に出てくるソ連のイメージで止まってる。今何がはやってるんだろう。どんな音楽聞いてるんだろう。映画は何を見ているんだろう(ナイトウォッチ/デイウォッチを見る限りではそこまで異文化というわけではなさそうだけど←そういえば続編はいつやるんだろう)。2年前の皆既日食で行くチャンスを逃して依頼、アンテナから外れたままだったけど、行きたいな。ロシア。


・十和田の現代美術館はこれより後の作品がほとんどなんだろうな。ここでも『現代』というくくりが通用しない。


・アートをわかった気になりたいわけじゃなくて、わかったらもっと楽しい世界が見えるんじゃないかと思う。アートを感じた記憶というのがまだあまりない。