UCHEW-NISSHI

Tokyo Based DJ KNK's Blog - 音楽関連、東京近辺のパーティ情報、各地の旅先での音楽に関連した散策、読んだ本や見た映画について

変わる世界/変える世界

65年前のきのう、東京の下町は米軍の爆撃で焦土になった。

 10万人が亡くなった東京大空襲だ。

 夜を選び、目標の周囲に火の手を上げさせ、逃げ場をふさぎ、その中に30万発の焼夷(しょうい)弾をたたき込んだ。火災による上昇気流で、重さ60トンのB29爆撃機が飛行中、600メートルも吹き上げられたという。犠牲になったのは女性や子どもたちを含む普通の都民だった。

 これを機に米軍は日本本土の軍事目標への爆撃から都市を丸ごと破壊する戦略爆撃に転換する。2日後に名古屋、その翌日は大阪、4日後に神戸。犠牲者は30万人に上ったという。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2

全然知らなかったけれど、昨日(日付的には一昨日)は東京大空襲があった日らしい。そして、半年もしないうちに日本は連合国軍に降伏する。当時日本に住んでいた人々はこの半年間何を考えていたのだろう。想像の域を出ないが、おそらくなんとなくやばいな、と思いつつも敗戦ということがどういうことなのか特に実感もできず目の前のことに向かっていたのだろうと思う。それが、半年後には変わる。
朝日新聞の社説を読んで、戦争という歴史的出来事についてどうこう考えるよりも、むしろその『変わる』という事実が目の前に浮かんできた。世の中の一つ一つの構成要素が作り上げる主観的舞台としての『世界』。当時の人にとっては戦争というのは紛れもなくその重大な構成要素、言うなれば物差しだったはずだ。それが、半年後には変わる。
無論、戦局や大勢というようなものはとうの昔に決まっていたのだろう。だが、それと世界の構成要素がどうであったかということは全く関係ない。『やばい』と判断する時点で何において、つまりどのような物差しの尺度で『やばい』のかという判断が働いているわけで、やはり世界はそれを中心に廻っているのだ。つまり、何が言いたいかというと、たった半年で、むしろ明日にでも世界は『変わる』ということだ。その原因は大地震かもしれないし、ゴジラの到来かもしれないし、戦争かもしれない。もっと言えばそれは1曲でも1冊でも1枚でもありうる。変わるのは、金かもしれないし、健康かもしれないし、幸せな老後かもしれない。とにかく世界は変わるのだ。そして、物差しを動かすことで変えられるのだ。

戦争。僕はその少し後の時代に強い憧れを抱く。その時代にはウッドストックがあり、学生運動があり、手塚治虫がいた。僕はそれらに強い憧れを抱く。もちろん今更ヒッピーになりたいとか、共産主義が!とか、全共闘!とかに憧れているわけではない。そういったことではなく、それは皆、目の前の何かをすることで、世界を変えられると信じられた時代のものだということに憧れを抱く。永山則夫は一丁のピストルを手にすることで、ただお金を手にしようとしたわけではない。彼は、その一発の弾丸が世界を変えると思っていたのだ。もちろん、それは全くもって荒唐無稽なことだったかもしれない。けれど、少なくとも彼らにはその先に違う世界が見えていたのではないかと思う。今生きていて、それだけマクロな形で違う世界が見えることは少ない。数年前に一世を風靡した赤木智弘の論文が衝撃的だったのは、我々に違う世界が見えていないということを明らかにしたからだと思う。当然、彼にもそれは見えておらず、とにかく一旦壊して欲しいという主張のみがそこにある。


一方で、僕自身の話。僕が目の前に見ているものの先には何が見えるのか。ビジョンなき行動をとっているつもりは毛頭ない。しかし、いつしか僕の行為の先には維持される世界の中で自分がどう動くかということしか見えなくなっているのかもしれない。会社というのは恐ろしいところで、そこで一つの歯車になると、それを維持するために動くようになる。それに抵抗して、僕は自分が代わり続けることを強迫観念に近い形で持っている。しかし、それに固執するあまり、その前提である『世界』について、ある程度受け入れてしまっている部分があったように思う。どこかあきらめてしまっていたかもしれない。僕は世界を変えたい。僕自身の世界も、周りにいる人たちの世界も、もっと素晴らしいものに変えてしまいたい。そういう、原初的でエゴイスティックな衝動が、僕からはいつの間にかなくなってしまっていた。
もうすぐ会社に入って1年が経つ。そんな時期にたまたま目にした社説。戦争なんか本当にどうでもいいし、よくわからない。そこから思ったこと、改めて文にしたら目新しい部分が何もないことに気づく。けれど、この思考のタッチにどこか懐かしさすら感じてしまうということが、どれだけそこから離れていたのかを物語っているように思う。もう一度立ち止まって、世界を変えるにはどうすればいいかということを考えてみたい。結局Changeってそういうことなんだと思う。


・このPVめっちゃ好きだった!監督は誰なんだろう?

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