UCHEW-NISSHI

Tokyo Based DJ KNK's Blog - 音楽関連、東京近辺のパーティ情報、各地の旅先での音楽に関連した散策、読んだ本や見た映画について

フォロー・ミー/The Public Eye

オカルトホラーの傑作『ローズマリーの赤ちゃん』や、『カイロの紫のバラ』『アリス』といった数々のウディ・アレン監督作品で知られるミア・ファロー主演のラブコメディ。『第三の男』等で知られるキャロル・リード監督の最後の作品でもある。
凄腕公認会計士のチャールズはイギリス社交界にも顔が利く、いわゆる“上流階級”。何一つ問題のなさそうな彼には、しかしひとつ大きな悩みがあった。彼は妻の浮気を疑っていたのだ。自由奔放な振る舞いの妻に、疑心暗鬼に囚われた彼は探偵を雇う。しかしその探偵もまた問題の多そうな人物で…?

1972年公開。評判に反して何故かパッケージ化されていなかった傑作をキングレコードがリリース。ミア・ファローは『ローズマリーの赤ちゃん』を見て以来ずっと好きな女優で、今作も彼女の魅力がしっかり詰まった映画だと思う。また、各所のレビューで書かれているように、音楽もとても印象的。ともすればドタバタ劇になってしまいそうなプロットを落ち着いた雰囲気に落とし込めているのはその効果だと思う。
いずれにせよ、長らく見たくても見られなかった作品がこうやってパッケージ化されてリリースされるのはとてもうれしいことで、意義のあることだと思う。高価なパッケージで出される価値のある作品であるならば、しっかり採算もとれるはずなので今後も続いていくといいなと思う。

ウディ・アレンが彼女を起用しつづけていたことからもわかるように、彼女には映画監督を魅了する才能があるようで、キャロル・リードが人生最後の一本に彼女を起用したのもきっとそういうことなんだろうと思う。
・劇中にちりばめられたロンドンの街の風景も美しく、心温まる一本。