UCHEW-NISSHI

Tokyo Based DJ KNK's Blog - 音楽関連、東京近辺のパーティ情報、各地の旅先での音楽に関連した散策、読んだ本や見た映画について

鉄男2 The Body Hammer Super Remix Version――鉄男3 The Bullet Man 公開記念

鉄男に続き鉄男2も観た。こちらは初体験。

一見してまず気づくのは、カルト的要素の後退とその代わりに得られた圧倒的なエンターテイメント性。過去を忘れた主人公、不条理な悲しみとそれに対する圧倒的怒り、制御を失う身体と意識、復讐という目的、等々書き出すと、まるでアメコミ映画のあらすじのようだが、物語の構造はまさにアメコミそのものだと思う。変身後の肉体もより直線的なフォルムに代わり、前作の直観的な気味の悪さはだいぶ影を潜め、よりメカに近い形状となっている。さらに、今回は肉体が文字通り内部から変わるという設定に変更されており、肉体と精神のリンク、そしてそれを描くメタファーという1作目に読み取れたものは消滅している。その代わりに前面に出ているのが、破壊という行為に関する塚本監督の美意識だ。構造物だけでなく肉体、精神も破壊されていく、その過程はエグく、見ているものを引き込んでいく。

カルト的1作目に続くエンターテイメント要素満載の2作目、というとどうしてもジェームズ・キャメロンが関わっているターミネーターやエイリアンを思い浮かべてしまう。どちらのシリーズも3作目は失敗作と評価されている(もっとも製作者がまったく別の人たちに代わってはいる)が、果たして鉄男はいかに!5月の公開が俄然楽しみになってきた。